繊維M&A総合センターは、繊維・アパレルと、その周辺領域に関わる会社売却、事業承継、資本提携、買収を支援する相談窓口です。織布・編立、染色整理・加工、縫製、アパレルOEM・ODM、繊維商社・卸、産業資材、不織布、寝装・インテリア、服飾雑貨など、事業ごとに異なる工程、設備、人材、商流を踏まえて検討を進めます。運営会社は株式会社M&A Doです。
繊維企業の価値は、決算書だけで判断できるものではありません。長年培われた職人の技能、難素材への対応力、得意先ごとの品質基準、協力工場との連携、設備を使いこなす知見、少量多品種や短納期への対応、見本帳・型紙・レシピ、ブランドや販路など、現場に蓄積された多くの要素が事業を支えています。当センターでは、それらを買い手候補が理解できる情報へ整理し、譲渡後の運営まで見据えた話し合いにつなげます。
「まだ譲渡を決めていない」「従業員や取引先に知られずに可能性を確かめたい」という段階でも相談できます。初回は会社名を伏せた匿名相談に対応し、候補先への情報開示は、秘密保持契約(NDA)と譲渡企業様の確認を経て段階的に行います。また、譲渡企業様が当センターへ支払う着手金、月額報酬、中間金、成功報酬は0円です。外部の弁護士、税理士、司法書士などを利用する場合の費用や実費は別途生じることがありますが、その必要性と範囲は事前に説明します。
会社を譲ることだけを前提にせず、まずは現状、希望時期、残したい価値、避けたい条件を整理する。そのうえで、親族内承継、従業員承継、第三者承継、事業の一部譲渡、資本提携などを比較し、自社に合う選択肢を考える。繊維M&A総合センターは、そのための入り口です。
繊維M&A総合センターが担う役割
譲渡を急がせるのではなく、判断材料を整える
M&Aは、経営者にとって一度きりになることも多い重要な意思決定です。提示価格だけで相手を選べるものではなく、従業員の雇用、工場や屋号の継続、取引先との関係、設備と在庫の扱い、経営者の引継ぎ期間など、確認すべき条件が数多くあります。売却意思が固まっていない時点からこれらを言葉にしておくと、候補先が現れた際に、何を優先し、何を比較すべきかが見えやすくなります。
当センターでは、相談内容を聞いた直後に社名を広く開示するのではなく、事業の状態と希望を整理し、どのような相手なら強みを生かせるかを検討します。同業者が適する場合もあれば、川上・川下の企業、地域や工程を補完できる企業、販路や資本力を持つ企業が候補になる場合もあります。譲渡ありきで結論を急ぐのではなく、複数の可能性を比較できる状態をつくることを重視しています。
譲渡企業様と買い手企業様の双方が理解できる状態をつくる
譲渡企業様には、長年続けてきた事業への思いと、守りたい条件があります。一方、買い手企業様は、承継後も同じ品質、納期、顧客対応を維持できるか、追加投資がどの程度必要か、どこに成長余地があるかを確認します。両者が見ている論点は同じとは限りません。
そこで当センターは、財務数値に加え、設備、人材、取引先、外注網、在庫、品質、知的資産などを整理し、双方が検討しやすい材料へ変えていきます。強みだけを並べるのではなく、老朽設備、特定の職人への依存、取引先集中、滞留在庫、品質事故の履歴なども、現状と対応策を確認します。課題を隠さず、承継後に何を引き継ぎ、どこへ手当てが必要かを共有することが、認識のずれを減らすために重要だからです。
繊維業界でM&A・事業承継を考える背景
工程の分業と地域のつながりが事業を支えている
繊維の仕事は、原糸、撚糸、織布、編立、染色、整理加工、プリント、裁断、縫製、検品、物流、企画、生産管理、卸、ブランド、小売など、多くの工程と機能がつながって成り立っています。自社で完結する会社ばかりではなく、産地内の加工会社、協力工場、商社、検品会社、物流会社との連携によって、品質や納期を守っている企業もあります。
このため、会社単体の売上や利益だけでは、事業の実像を説明しきれません。「急な加工に応じてくれる外注先がある」「難しい仕様を相談できる職人がいる」「得意先ごとの検反基準を現場が理解している」といった関係性や知見も、承継後の継続性を左右します。M&Aを検討するときは、自社が工程のどこを担い、誰と連携し、どの用途や顧客に価値を届けているかまで整理する必要があります。
技能・設備・商流を次の担い手へつなぐ準備が必要になる
繊維企業では、経営者、工場長、熟練者、営業担当、生産管理担当など、特定の人が重要な知識を持っていることがあります。加工条件、糸や生地の癖、色合わせ、柄合わせ、段取り替え、外注先の得意分野、顧客との交渉経緯などが、文書ではなく経験として受け継がれている場合もあります。後継者不在や人材の高齢化をきっかけに承継を考えるなら、誰が何を担っているかを早めに可視化することが欠かせません。
設備についても、単に年式が古いか新しいかだけでは判断できません。古い機械でも保守が行き届き、特殊な素材や小ロットに対応している場合があります。一方、新しい設備でも稼働率、部品供給、保全担当、排水・環境対応、今後の更新投資などを確認しなければ、承継後の運営は見通せません。設備台帳、修繕履歴、停止履歴、代替工程の有無などをそろえることで、買い手は必要な投資と運営リスクを具体的に考えられます。
早めの相談は、すぐに売却することと同じではない
承継準備には、財務・契約・在庫資料の整理、株主や家族との話し合い、候補先像の検討、従業員や取引先への説明計画など、一定の時間が必要です。資金繰り、設備故障、人材流出などが起きてから短期間で相手を探そうとすると、選べる条件が限られる可能性があります。
早い時期に相談すれば、今すぐ譲渡活動を始めるか、数年かけて改善と準備を進めるかを比較できます。設備台帳を整える、在庫の評価方法を見直す、契約書を確認する、キーパーソンの業務を共有するなどの準備は、最終的にM&Aを選ばなかった場合にも、社内承継や経営改善に役立ちます。

ご相談いただけるサービス
譲渡企業様向けの相談・M&A支援
会社売却、株式譲渡、事業の一部譲渡、後継者不在への対応、資本提携、工場・ブランド・商流の承継などを相談できます。すでに譲渡を決めている場合だけでなく、「第三者承継が自社に合うか知りたい」「親族や従業員への承継と比較したい」「廃業以外の可能性を確認したい」といった検討初期も対象です。
相談後は、必要に応じて事業の棚卸し、ノンネーム資料の作成、候補先像の設計、候補先への打診、NDA、社名開示の確認、トップ面談、条件調整、デューデリジェンス、契約、引継ぎを支援します。候補先や成約、価格、時期を保証するものではありませんが、情報と論点を順序立てて整理し、経営者が納得して判断できるように進めます。
買い手企業様向けの登録・案件案内
繊維・アパレル・産業資材と周辺サービスの買収、出資、事業承継先を探す企業様は、希望条件を登録できます。希望する領域、地域、売上規模、工程、設備、人材、販路、投資方針、買収後に重視する点などを共有しておくことで、条件に近い案件情報の案内を受けやすくなります。条件がまだ固まっていない段階でも登録できます。
買い手企業様にも秘密保持が求められます。譲渡企業様の社名、取引先、詳細な財務、従業員情報などは、譲渡企業様の同意と秘密保持手続の後に、検討段階に応じて開示されます。買収後についても、現場の定着、従業員への説明、既存顧客への対応、設備投資、品質管理などを見据えて検討することが大切です。
相談できる主なテーマ
- 後継者不在で、親族内・従業員・第三者承継を比較したい
- 従業員の雇用や職人の技能を守れる相手を探したい
- 設備更新の負担を踏まえ、資本力のある相手との提携を考えたい
- 社名や工場名を出さずに、譲渡可能性を確かめたい
- 原料、仕掛品、製品、B反・C反などの在庫をどう整理すべきか知りたい
- 工場、不動産、設備、ブランド、商流を分けて承継できるか検討したい
- 自社の工程を補う企業、販路を持つ企業、地域を補完する企業を買収したい
- 繊維関連事業へ新規参入するため、技術・人材・取引基盤を引き継ぎたい
対象となる方と事業領域
譲渡・事業承継を考える経営者様
「後継者が決まっていない」「自分の年齢や健康を考え、今後に備えたい」「設備投資を単独で続けることに不安がある」「従業員と取引先を守りながら承継したい」「まず自社がどのように見られるか知りたい」と考えている経営者様が対象です。詳細な資料がそろっていなくても、分かる範囲から相談できます。会社名を開示したくない場合は、初回時点では空欄のまま相談フォームを送ることも可能です。
赤字、借入、古い設備、多い在庫、小規模、地方立地といった事情があっても相談はできます。ただし、すべての会社に必ず候補先が見つかるわけではありません。財務状況だけで可能性を決めつけるのではなく、技術、顧客、設備、地域ネットワーク、改善余地、買い手との相性を確認し、検討の前提を整えます。
買収・出資・提携を考える企業様
生産能力を広げたい、内製工程を増やしたい、産地ネットワークを獲得したい、技術者を承継したい、販路やブランドを加えたい、新しい用途へ参入したいと考える企業様が対象です。同業だけでなく、川上・川下の企業、商社、メーカー、ブランド運営企業など、繊維事業との組み合わせを検討する企業も登録できます。
買い手側では、価格や売上規模だけでなく、主要人材の継続、設備保全、品質管理、取引先との関係、外注依存、在庫評価、労務・環境面の論点を確認する必要があります。買収後に何を維持し、どこへ投資し、どのような体制で引き継ぐかまで考えることが、安定した承継につながります。
幅広い繊維関連領域に対応
当センターが公開している主な対象領域は、織物・編物、染色整理・加工、縫製工場、アパレルOEM・ODM、繊維商社・卸、寝装・インテリアファブリック、産業資材・不織布、サステナブル素材・リサイクル繊維、テキスタイル企画、ユニフォーム・作業服です。そのほか、撚糸、プリント、サンプル縫製、検品、補修、物流、服飾雑貨、リユース、ECなど、繊維のサプライチェーンを支える周辺事業も相談対象に含まれます。
業種によって、買い手が確認する内容は変わります。織布・編立では織機や編機の種類、稼働率、保守、外注工程、技能者、検反体制などが重要です。染色整理・加工では、染色機、乾燥機、排水設備、薬剤、加工レシピ、色ブレ管理、検査体制が論点になります。縫製では、裁断から出荷までの工程別能力、ライン長と技能者、小ロット対応、納期遵守、検品基準が見られます。
OEM・ODMでは、企画、パターン、サンプル、生産管理、国内外の工場ネットワーク、ブランドや小売との関係が中心です。繊維商社・卸では、仕入先・販売先、与信、支払条件、在庫回転、SKU別の採算、営業担当者への依存度が確認されます。産業資材・不織布では、用途別品質、認証、試験記録、設備、原材料調達、価格転嫁の仕組みが重要です。事業の種類に合わせて、資料の作り方と候補先への伝え方を変える必要があります。
繊維M&A総合センターの特徴
1.繊維業界の工程と商流を前提に整理する
一般的な会社概要や財務資料に加え、繊維事業特有の確認項目を整理します。設備のメーカー・型式・導入年・保守履歴、工程別の稼働状況、技能者の役割、品質基準、加工レシピ、外注先、原材料、在庫、見本帳、型紙、顧客別仕様などです。専門用語を消すのではなく、買い手が意味を理解できる説明を添え、承継後の事業を具体的に想像できる資料へ整えます。
2.譲渡企業様が当センターへ支払う手数料は0円
譲渡企業様から当センターが受け取る着手金、月額報酬、中間金、成功報酬は0円です。費用面の不安から相談が遅れることを減らし、売却を決める前に状況を整理しやすくするための設計です。ただし、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士などの外部専門家費用、登記費用、許認可手続、資料取得、郵送などの実費まで無料になるという意味ではありません。必要になる場合は、発生前に内容と範囲を確認します。
3.匿名相談と段階的な情報開示を重視する
産地や業界内のつながりが近い繊維分野では、社名を出していなくても、地域、設備、工程、取引規模から会社を推測されることがあります。そのため、匿名概要では情報の粒度を調整し、候補先の関心を確認します。社名や詳細資料の開示は、候補先の確認、NDA、競合・取引関係の確認、譲渡企業様の承諾を経て進めます。
得意先名、仕入先名、外注先名、加工レシピ、原価、従業員情報などは、特に慎重な管理が必要です。秘密保持は契約書を結ぶだけでなく、「誰に、何を、いつ、どこまで見せるか」を決めることでもあります。当センターは、初期相談、候補先打診、面談、デューデリジェンスの各段階に合わせて、開示範囲を確認します。
4.決算書の外側にある価値も棚卸しする
職人の技能、少量・短納期対応、品質事故への改善力、外注ネットワーク、産地内の信用、企画提案力、サンプル室、ブランド、商標、見本帳、図案、商品画像、顧客データなどは、帳簿にそのまま表れない場合があります。しかし、買い手にとっては、承継後の継続と成長を判断する重要な材料です。
当センターでは、その強みが「誰によって」「どの工程で」「どのように再現されているか」を確認します。個人の経験だけに依存しているなら、引継ぎ期間、手順書、教育計画を検討します。長年の取引関係が強みなら、取引年数、発注頻度、価格改定や品質対応の履歴、承継後の挨拶方法まで整理します。抽象的な評価ではなく、事実と運営の仕組みで伝えることを大切にしています。
5.成約後の引継ぎも見据えて条件を考える
契約締結は、事業承継の終点ではありません。従業員に誰がいつ説明するか、主要取引先へどの順序で伝えるか、経営者や工場長がどの程度残るか、設備・品質・外注先の引継ぎを誰が担うかなど、成約後の計画が事業の安定を左右します。
買い手が急に運営方法を変えれば、従業員や取引先が不安を感じる可能性があります。一方で、必要な投資や改善を先送りすれば、期待した効果を得にくくなります。譲渡企業様が残したいものと、買い手企業様が改善したいものを早めに確認し、価格以外の条件も含めてすり合わせることが重要です。

買い手に伝わる「会社の価値」の整理方法
設備と生産能力
設備台帳には、機械名だけでなく、メーカー、型式、導入年、保守・修繕履歴、稼働率、リースの有無、停止時の代替手段、部品の調達先、更新予定を記載します。織機、編機、染色機、乾燥機、検反機、延反機、CAD/CAM、ボイラー、コンプレッサー、排水設備など、事業継続に関わる設備を工程に沿って確認すると、買い手が生産能力と追加投資を見積もりやすくなります。
人材と技能
組織図や従業員一覧だけでなく、経営者、工場長、熟練者、営業、生産管理、品質管理、サンプル担当が担う役割を整理します。技能が一人に集中している場合は、引継ぎ可能な期間、後継候補、多能工化、手順書の有無を確認します。「職人技がある」と表現するだけでなく、その判断が歩留まり、品質、納期、返品率、顧客対応にどのように生きているかを示すことが重要です。
取引先・仕入先・外注ネットワーク
主要取引先の売上構成、取引年数、契約条件、発注頻度、価格改定の履歴、担当者との関係を整理します。外注先については、どの工程を依頼し、どのロット・納期・品質に対応できるか、代替先があるかを確認します。初期段階では具体名を伏せ、業種や構成比で示し、NDA後に必要な範囲を開示する方法があります。
在庫・品質・知的資産
糸、原反、仕掛品、製品、副資材、顧客支給材などを区分し、良品、長期滞留品、B反・C反、廃番品、処分予定品の扱いを明らかにします。帳簿金額だけでなく、滞留期間、用途、評価方法、処分方針が分かると、買い手は実態を判断しやすくなります。
品質面では、用途ごとの検査基準、堅牢度、混率、寸法変化、返品・クレーム、再発防止、外部試験機関との連携などを整理します。見本帳、色帳、仕様書、加工レシピ、型紙、図案、商標、商品画像なども、権利関係と管理方法を確認したうえで承継対象を検討します。弱みを伏せるのではなく、把握し、改善の記録を示すことが、相手の判断を助けます。
譲渡条件を考えるときに確認したいこと
価格以外にも、残したい条件を言葉にする
譲渡条件というと、最初に価格を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、繊維企業の承継では、従業員の雇用と処遇、工場の操業、屋号やブランド名、既存取引、オーナーの関与期間、設備投資の方針なども重要です。「誰に譲るか」を考える前に、自社として何を守りたいかを整理しておくと、候補先の提案を比較しやすくなります。
たとえば、雇用継続を重視する場合でも、全員の勤務場所、役割、賃金、雇用形態まで同じ条件を希望するのか、一定の変更を受け入れられるのかで交渉の内容は変わります。工場を残したい場合は、不動産を株式・事業と一緒に譲るのか、オーナー側で保有して賃貸するのかも確認が必要です。経営者が一定期間残れるなら、その期間、役割、権限、報酬、顧客への挨拶をどこまで担うかを具体化します。
希望条件のすべてが実現するとは限りません。優先順位を決め、「必ず守りたいこと」「相手の提案を聞いて判断すること」「条件次第で調整できること」に分けておくことが大切です。当センターでは、候補先への打診前からこれらを確認し、価格だけでなく承継後の姿を比較するための材料を整えます。
株式、事業、設備・不動産の範囲を確認する
承継の形は、会社の株式を引き継ぐ方法だけではありません。特定の工場、ブランド、商流、事業部門を切り出す方法や、資本提携から段階的に関係を深める方法が検討される場合もあります。どの方法が適するかは、会社の負債、契約、許認可、不動産、従業員、税務・法務上の論点によって異なります。
繊維企業では、工場用地と建物を誰が所有しているか、機械が自社所有かリースか、顧客支給材や預かり在庫があるか、ブランドや図案の権利を誰が持つかといった確認も必要です。承継対象を曖昧にすると、候補先が価格と投資計画を判断しにくくなります。外部専門家の確認を受けながら、譲るもの、残すもの、別途契約が必要なものを一覧にしていきます。
従業員・取引先への説明順序を成約前から考える
従業員や取引先へ早過ぎる段階で伝えると、不確定な情報が不安につながる可能性があります。一方、説明が遅過ぎると、関係者が「大切な話を知らされていなかった」と感じることもあります。最適な時期は案件ごとに異なるため、契約の進み具合、情報漏えいのリスク、キーパーソンの関与、顧客承諾の必要性などを踏まえて計画します。
説明では、譲渡の事実だけでなく、買い手企業がどのような会社か、雇用・業務・品質・納期はどうなるか、問い合わせ窓口は誰かを整理しておくことが重要です。主要な得意先、仕入先、外注先には、経営者と買い手が一緒に挨拶する方法も考えられます。産地内の関係や長年の信用を引き継ぐには、契約書だけでなく、人から人への丁寧な引継ぎが必要です。
ご相談から成約・引継ぎまでの流れ
1.初回相談
社名を伏せたままでも相談できます。譲渡を考えた背景、事業内容、地域、希望時期、守りたい条件、避けたいことを、話せる範囲で確認します。詳細資料がなくても構いません。相談した時点で候補先への打診が始まるわけではありません。
2.事業と希望条件の整理
財務、設備、人材、取引先、仕入先、外注先、在庫、品質、不動産、借入、リースなどを確認します。価格だけでなく、雇用、屋号、工場、取引継続、経営者の関与期間など、譲れない条件と調整可能な条件を分けます。
3.ノンネーム資料と候補先像の作成
社名や特定につながる情報を伏せた概要を作り、同業、川上・川下、地域補完、工程補完、販路補完などの観点で候補先像を検討します。匿名性が崩れないよう、地域、売上規模、設備、顧客情報の表現を調整します。
4.候補先への打診
譲渡企業様と進め方を確認しながら、候補先の関心を確かめます。関心が示された場合でも、直ちに社名や詳細情報を開示するのではなく、候補先の事業内容、取得目的、資金力、運営方針、従業員や取引先への姿勢などを可能な範囲で確認します。
5.NDAとネームクリア
秘密保持契約を締結し、譲渡企業様の承諾を得てから社名を開示します。競合関係、既存取引、開示する資料の範囲も確認します。その後も、顧客名、原価、レシピ、従業員情報などは検討段階に応じて開示します。
6.面談・条件の検討
経営者同士の面談や現場理解を通じて、事業方針、譲渡条件、従業員の雇用、設備投資、屋号や工場、取引先への対応、引継ぎ期間を確認します。複数の候補先がいる場合は、提示額だけでなく、事業理解や承継後の運営方針も比較します。
7.デューデリジェンスと最終契約
財務、税務、法務、労務、事業、設備、在庫、不動産、許認可、環境対応などを確認します。表明保証、補償、クロージング条件、経営者保証、従業員や取引先の承継などは、専門家の助言が必要になる場合があります。内容を理解しないまま契約を急がず、不明点を確認します。
8.クロージングと引継ぎ
契約上の条件を満たしたうえでクロージングを行い、従業員、取引先、仕入先、外注先への説明と実務の引継ぎを進めます。経営者や工場長の残留期間、技術移管、顧客挨拶、設備投資、PMI(経営統合)の進め方も、案件に応じて検討します。
相談前にそろえておくとよい情報
最初から完璧な資料は必要ありません。直近の決算書、事業内容、主な工程、従業員数、設備の概要、主要取引先の傾向、希望時期、相談の背景が分かれば、初期整理を始められます。その後、必要に応じて次の情報をそろえます。
- 直近数期の決算書、税務申告書、月次試算表、部門・工程別の売上と粗利
- 主要顧客・仕入先・外注先の構成、取引条件、支払サイト、契約書
- 設備台帳、保守・修繕履歴、リース、停止履歴、更新投資の見通し
- 組織図、従業員の役割、技能、年齢構成、雇用条件、引継ぎ可能性
- 糸、原反、仕掛品、製品、副資材、滞留品を分けた在庫台帳
- 品質基準、検査記録、返品・クレーム履歴、改善記録、認証、許認可
- 不動産、賃貸借、借入、個人保証、保険、知的財産、IT・業務システムの情報
これらは一度にすべて開示するものではありません。匿名相談、NDA後、面談後、基本合意後、デューデリジェンスという段階ごとに、誰へ何を出すかを決めます。資料が不足している場合も、何から確認すべきかを整理するところから始められます。
安心して相談するための方針
運営会社について
繊維M&A総合センターは、株式会社M&A Doが運営しています。サイトに公開されている会社概要では、本社は東京都港区北青山、事務所は名古屋・大阪・福岡に所在し、代表取締役は濱田啓揮、設立は2021年4月2日、資本金は1,000万円です。事業内容として、M&A仲介・M&Aアドバイザリー、スカウト型M&A、事業承継サポート、後継者スカウト、PMIサポート、企業価値評価を掲げています。
運営会社の所在地、代表者、事業内容などは、当サイトの運営会社ページと株式会社M&A Do公式会社概要で確認できます。相談を始める前に、運営主体、支援方針、費用、情報の取扱いを確認し、不明点があれば問い合わせることができます。
公開方針と利益相反管理
繊維M&A総合センターは、サイト内に中小M&Aガイドラインの遵守、情報セキュリティ方針、利益相反管理方針、プライバシーポリシー、免責事項、苦情・相談窓口を公開しています。中小M&Aガイドラインの趣旨を踏まえ、支援範囲、報酬、外部専門家費用、秘密保持、利益相反、ネームクリア、買い手候補の確認、最終契約に関わるリスクの説明を重視しています。
当センターが仲介、FA、紹介、情報提供、双方支援のどの立場で関与するか、報酬関係にどのような事情があるかは、契約前または必要な時点で説明します。買い手企業様や紹介元などから報酬を受領する場合は、候補先選定や交渉への影響が考えられる事項として必要に応じて説明し、利益相反を管理します。弁護士、税理士、公認会計士など独立した専門家への相談や、セカンドオピニオンを妨げません。
また、説明、費用、秘密保持、候補先選定、個人情報、サイト表示などに疑問がある場合の苦情・相談窓口も設けています。受付は電話または問い合わせフォームで行い、電話受付時間は平日10時から17時です。機密性の高い内容は、初回連絡では必要最小限にとどめ、詳細資料の送付方法を個別に確認してください。
よくある質問
売却するか決めていなくても相談できますか?
はい。第三者承継が自社に合うか、いつ準備を始めるべきかを考える段階から相談できます。相談しただけで候補先への打診が始まるわけではありません。親族内承継、従業員承継、事業の一部譲渡、資本提携、数年後の譲渡なども含め、現状と選択肢を整理します。
会社名を伏せたまま相談できますか?
はい。譲渡企業様向けフォームでは会社名・屋号は任意で、匿名相談の場合は空欄でも送信できます。まずは地域や事業内容、譲渡を考えた背景など、開示できる範囲を伝えてください。候補先への社名開示は、NDAと譲渡企業様の承諾を経て進めます。
従業員や取引先に知られずに検討できますか?
情報を開示する相手、内容、順序を絞り、事業への影響を抑えながら進めます。ただし、匿名情報でも地域や設備などから推測される可能性を完全にはなくせません。そのため、匿名概要の粒度、候補先の範囲、社名開示の時期、関係者へ説明する順序を個別に検討します。
譲渡企業様の手数料は本当に0円ですか?
譲渡企業様が当センターへ支払う着手金、月額報酬、中間金、成功報酬は0円です。ただし、外部専門家費用、登記、許認可、資料取得、郵送などの実費まで無料という意味ではありません。別途費用が必要になる場合は、事前に範囲と必要性を説明します。
相談前に決算書や設備資料をすべて準備する必要がありますか?
いいえ。最初は、事業内容、主な工程、従業員数、設備の概要、売上規模、希望時期など、分かる範囲で構いません。初回相談で不足情報を確認し、設備台帳、在庫台帳、顧客構成、組織図などを順番にそろえます。
赤字や借入がある会社でも相談できますか?
相談できます。赤字や借入があることだけで、可能性が一律に決まるわけではありません。技術、顧客基盤、設備、改善余地、買い手との相性などを含めて検討します。ただし、候補先や成約を保証するものではなく、財務状況を正確に整理し、条件とリスクを慎重に確認する必要があります。
設備が古い、在庫が多い場合も対象ですか?
対象です。設備は年式だけでなく、保守履歴、稼働状況、用途、部品供給、更新投資を確認します。在庫は原料、仕掛品、製品、滞留品、B反・C反などに分け、回転、評価方法、処分方針を整理します。他の技術、人材、取引、販路と合わせ、事業の実態を伝えます。
地方の小規模な工場でも相談できますか?
相談できます。規模が大きくなくても、特殊な加工、熟練者、地域の分業ネットワーク、長期取引、小ロット対応などに承継価値がある場合があります。会社単体の数字だけでなく、地域内で担っている工程と、承継後もその関係を維持できるかを確認します。
買い手はどのように探しますか?
同業だけでなく、川上・川下、地域補完、工程補完、販路補完などの観点から候補像を検討します。実際の打診は譲渡企業様と進め方を確認し、まず匿名概要で関心を確かめます。候補先の確認とNDAを経て、譲渡企業様が承諾した相手へ段階的に情報を開示します。
買い手企業として登録するには何が必要ですか?
会社名、担当者名、メールアドレス、希望条件・補足が必須項目です。希望領域、エリア、投資規模、検討時期、目的などは、おおよその内容でも登録できます。譲渡企業様の匿名性を守るため、詳細情報は秘密保持手続と譲渡企業様の同意後に案内されます。
成約までの期間や譲渡価格は決まっていますか?
一律には決まりません。事業の状態、資料の準備、候補先との相性、株主・家族との調整、デューデリジェンス、契約条件などによって変わります。当センターは、候補先、価格、成約時期、経営者保証の解除、従業員や取引先の承継などを保証するものではありません。希望を確認しながら、判断に必要な情報を整えます。
成約後の従業員や取引先への説明も相談できますか?
はい。誰が、いつ、どの順序で説明するか、経営者や工場長がどの程度残るか、顧客挨拶や技術移管をどう進めるかなど、引継ぎ計画を検討します。雇用や取引の継続は相手方との合意や個別事情によりますが、成約前から論点を明確にしておくことが大切です。
まずは社名を出さずに、会社の未来を整理しませんか
事業承継を考え始めたとき、最初から答えが決まっている必要はありません。会社を譲るのか、親族や従業員へ引き継ぐのか、資本提携で成長を目指すのか、もう少し準備を続けるのか。選択肢を比べるには、現在の事業と、残したい価値を言葉にすることから始まります。
繊維M&A総合センターでは、会社名を伏せた初回相談を受け付けています。譲渡企業様が当センターへ支払う着手金、月額報酬、中間金、成功報酬は0円です。まずは「後継者がいない」「廃業と迷っている」「従業員と技術を残したい」「匿名で相手の可能性を知りたい」といった一言からでも構いません。
譲渡・事業承継を検討する経営者様は、譲渡企業様向け無料相談フォームをご利用ください。買収・出資を検討する企業様は、譲渡案件お知らせサービス登録フォームから希望条件を登録できます。どちらの窓口が適切か分からない場合は、総合お問い合わせへお進みください。
電話での相談は 03-4560-0084、受付時間は平日10時から17時です。フォームは24時間受け付けています。機密性の高い資料は最初から添付せず、まずは必要最小限の情報でお問い合わせください。事業の技術、人材、取引先、設備、ブランドを次の担い手へつなぐ可能性を、秘密保持を前提に一緒に整理します。
記事の編集・監修
日本M&AセンターでM&A業務に従事した後、2021年に株式会社M&A Doを設立。M&Aの手続、条件整理、情報管理の観点から内容を確認しています。
記事は一般的な情報提供を目的としています。個別案件では、必要に応じて弁護士・税理士等の専門家へご確認ください。

